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富三さんの蔵
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【ワイン王国 2000年5月号より】
ボランジェ社
ここも数少ないアイ村のハウス。しばしばクリュツグと並んでトツプ級のシャンパンにあげられる。
規模はそう小さくないのだが (年産150万本)、白社畑(約120Km2)比率が高く生産量の六割半を賄っているから、グランド・マルクの中では異色。また、クリュッグと同じように樽発酵を行なっている点でも異色。

つまり、シャンパン・メーカーはいろいろ理由があって、生地のワインを造るのは巨大なステンレスタンクを使って量産する。ところがここは、この第一次発酵を樫の小樽で行なう。そのため専従の樽職人をかかえて4500ほどの樽を常備している。樽発酵を行なうため、ワインにはフレーバーが良く出て、しっかりしたものになるし、選酒が厳密に行なえるわけだが、その手間は大変なもの。


ここは家族経営、いわば手造りシャンパンの見本のようなもの。それを象徴しているのがマダム・エリザベス・リリイ。未亡人の身で第二次大戦時代の難局を乗り切り、品質を維持し続けた地元の名物的存在の肝っ玉母さんだった。

ここのシャンパンはアイに本拠を置くだけあって、スケールが大きく、いわば男性的。非常にボディが豊潤で、とても力強く初めての人には荒く感じさせるくらい。

ここの特醸物はRD。これはrecemmentdegorgreの略で「ごく最近澱落しをした」という語義だが、7年から10年壕熟させた意味を含んでいる。この長期熟成がシャンパンに活力と完全な円熟味を備えさせているのだが、澱落しをしたら早く出荷することで新鮮さも出そうというわけ。

特醸の中のさらに別格の希少品がヴィエーユ・ヴィーニュ。前世紀の後半、ヨーロッパを襲ったフィロキセラ(葡萄根あぶら虫)のため、フランス中のほとんどの葡萄は壊滅した。そのため現在使っている葡萄は、どこでもこの虫に免疫性を持つアメリカ種の葡萄の台木にヨーロッパ種を接木したものを使っている。しかしこのハウスは本社のそばの小さな畑で、フィロキセラ襲来以前からの葡萄の古木(樹齢70,80年)を大切に守り続けてきたから、それを使って仕込んだもの。シャルドネを使わずピノ・ノワールだけで造ったとはとても思えない繊細で品のいいシャンパン。

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